アルツハイマーイベント(2024年9月15日)の質問内容と回答

お知らせ
アルツハイマー遺伝子検査はどこで受診できますか?また費用はどのくらいですか?
私の父、夫の母はアルツハイマーですが、遺伝する可能性はありますか?

アルツハイマーに関する遺伝子検査は、APOE遺伝子検査です。医療機関で5mlの採血を行い、血液検査によって確認します。
アルツハイマー型認知症の原因になるアミロイドベータの蓄積や凝集に関わるのがアポリポタンパク質E(APOE)です。
APOE遺伝子には、「ε(イプシロン)2」「ε3」「ε4」の3種類があり、両親から1つずつ受け継ぎ、2つ1組で遺伝子型を構成しています。「ε2/ε2」、「ε2/ε3」、「ε2/ε4」、「ε3/ε3」、「ε3/ε4」、「ε4/ε4」の6つの型に分類されます。
ε2」はアミロイドβの凝集を抑え、アルツハイマー型認知症発症リスクを低下させます。一方、「ε4」を持つ人ほど、アルツハイマー型認知症の発症リスクが高いとされています。
ε3/ε3」の遺伝子型を基準にすると、「ε4/ε4」の遺伝子型はアルツハイマー発症リスクが11.6倍になります。
将来に不安がある人は、APOE遺伝子検査をおすすめします。なお、遺伝子情報は変わらないので、一度調べれば、将来の予防に活用できます。
もし、検査で該当する遺伝子型が見つかったとしても、必ずしも認知症になるわけではありません。認知症の発症には、大きく関係しているのは生活習慣です。
日頃から、食生活運動睡眠などに気をつけて対策に取り組むことが大切です。
この検査は現在、多くのクリニックで導入されていますが、自由診療のため金額は異なります。安いところでは12,000円程度の費用で検査を行っているクリニックもあるようです。お近くのクリニックにお問い合わせください。

遺伝子型リスク
ε2/ε30.6倍
ε3/ε31.0倍
ε2/ε4、ε3/ε43.2倍
ε4/ε411.6倍
APOE遺伝子の遺伝子型とアルツハイマー型認知症の発症リスク

ヒデコさん 60代 女性

父親が今までは出かけたり好きなパズル(TVを見たり)をしたりしていましたが、最近は寝てばかりいます。言ったこともすぐ忘れます。声をかけても耳が遠くて聞こえないようです。どうするのが一番良いのか?ほっといた方が良いのでしょうか?

高齢になると男性は、男性ホルモンの関係で活動的でなくなることがあるようです。
男性更年期障害の可能性もあります。
亜鉛やアミノ酸を食事やサプリメントなどで補いましょう
そして言ったことをすぐ忘れるのならば、キノコ類を摂ることをお勧めします。キノコ類にはエルゴチオネインが多く含まれています
耳が聞こえなくなってくると、なかなか人との交流も億劫になりがちです。
補聴器なども使い、お父様がより社会と関われるような環境を用意したらいかがでしょうか。
あなた自身も色々な行事に誘ってお父様に刺激を与えることも大切だと思います。
自分の子供の頃の楽しい思い出話をしながら、感謝の心でお父様に寄り添ってはいかがでしょうか
放っておくのではなく、構いすぎるのでもなく、見守る気持ちがいいでしょう

フタバさん 50代 女性

タモギタケがスーパーに売っているのは見たことがありません。今日のお話も良くわかりありがとうございました。食事に気をつけたいのですがココナッツオイルが苦手です。どのような特徴がありますか?

タモギタケは主に北海道産が多いため、なかなか東京でも販売しているお店は数多くありません。
ましてや西日本方面では、もっと手に入れにくいと思います。
タモギタケの栽培は、北海道以外の全国でも始まっています。
栽培をしている会社に直接依頼すれば、通信販売でもお取り寄せできます。
ココナッツオイルの甘い香りが苦手という人はいらっしゃいます。
その場合は中鎖脂肪酸MCTオイルをお勧めします
MCTオイルは臭いはありませんが、加熱には向きません
サラダやコーヒー、スープなどに大匙1杯ほど入れて毎日飲んでください

夜に眠る時間が少ないのでどうすればいいですか?

睡眠時間は人によって個人差がありますが、質の高い睡眠を得ているかどうかが重要です。
年齢と共に睡眠は変化します。若い頃にくらべて体内時計が変化するので、睡眠を支える血圧・体温・ホルモン分泌など多くの生体機能リズムが、前倒しになり、早寝早起きになります。
そして、レム睡眠や浅いノンレム睡眠が増えて睡眠自体が浅くなります
昼間の時間の過ごし方はどうされていますか?
昼間活動的に過ごすと眠りやすくなります。
昼間はウォーキングや有酸素運動をして、就寝前にはお風呂に入って体を温めると、寝入りやすくなります。
就寝前にはカフェインを取らないテレビやスマホは避ける電気を消して寝る、朝は太陽の光を浴びましょう

一人暮らしなので相談できる人がいません。

公益社団法人認知症の人と家族の会全国にあります
本部は京都にあるので、相談はお住まいの場所の家族の会にされるといいでしょう。
詳しくは、こちらのページからご確認ください。

公益社団法人認知症の人と家族の会  https://www.alzheimer.or.jp
(URLをクリックするとリンク先にアクセスできます。)

晃子さん 65歳 女性

介護職をしています。(特別養護老人ホームで働いています。)介護職としてお年寄りにできることは何かありますか?簡単にできるレクリエーション等でも良いです。

いつもニコニコしてお年寄りに愛を与えることです。
何か一つでもいいので、相手の素晴らしいところを褒め、会話を楽しみましょう。
お年寄りの世代の歌を一緒に歌うあいうべ体操で嚥下機能を高める、簡単な拮抗体操(右手と左手で異なる動きをする運動)、テーマを決めてのしりとりなど、楽しみながら少しだけ頭を活性化することをおすすめします。

はっちゃんさん 20代 女性

グルテンを食べる頻度を少なくして、日本食中心(発酵食品)の食事を中心として運動を心掛ける生活をしていればアルツハイマーになりづらいですか?
お寿司好きな家族ですが、月に1回くらいなら大丈夫ですか?(金属が)脳に蓄積されないですか?

アルツハイマー病は、食事だけをなんとかすれば予防できるというものではありません。
アメリカのアルツハイマー型認知症の研究者であるデール・プレデセン博士は2014年に「リコード法」という統合的な治療法を報告しました。
日本でもその成果を著した本、「アルツハイマー病 真実と終焉」が出版されました(2018年3月1日)。
博士は、アルツハイマー病の原因となる脳に蓄積する物質は、脳の神経細胞の防御反応として生じると考え、その防御反応を引き起こす原因である36の穴を減らすように生活していくことで認知症を改善させることを明らかにしています。
アミロイドβを作り続ける脳への脅威(炎症、栄養不足、毒物)を取り除くことが、大切です。
ですから、ある種類のものを食べなければ、アルツハイマーにならないとは言えません。
食事は重要な一因ですが、それだけではなく、適度な運動や質の良い睡眠も大事です。
バランスの良い生活習慣が大切になるでしょう。
海産物に含まれている水銀などの金属が、気になる場合は、解毒させる香菜や、亜鉛やセレンを多く含む食べ物を取るといいでしょう。

愛さん 40代 女性

脳に溜まった水銀の解毒方法はありますか?

まず口の中に銀歯と呼ばれるアマルガムという歯科金属が入っているかどうかチェックしてください。
入っている場合は、歯科医に取り除いてもらってください。
それから亜鉛を積極的にとってください
亜鉛は牡蠣などに含まれていますが、毎日1個とるくらいでは不足しています。
そのためサプリメントで亜鉛をとることが効率が良くをお勧めです
実は、金属の蓄積は亜鉛不足とも関係しています。
亜鉛が関与している代謝酵素は200種以上、DNAやタンパク質の合成、視力や聴力、性ホルモンの分泌、免疫力のコントロールなど様々な働きに関与しています。
特にアルコール代謝酵素には亜鉛が使われていますので、飲酒量が多い場合は亜鉛欠乏になりやすくなります。
亜鉛は、カドミウム、水銀と、元素周期表からは同じ12族にあります。
同族は元素の一番外側を回っている電子の数が同じです。
これは元素の性質が極めて似ていることを意味しています。
そのため食品中の亜鉛が少なく、代わりにカドミウムや水銀などが多いと、必須ミネラルの亜鉛ではなく、有害金属のカドミウムや水銀が体内へ吸収されやすくなるのです
ですから、亜鉛を多く含んでいる食品はもちろん、サプリメントが必要になるのです。

認知症の母は(亡くなりましたが)楽しい環境の中で症状が良くなっていったように思います。認知症ではありませんが子供の発達障害と言われている症状にも毒を入れないようにしながら、遊びの豊かな環境をととのえることで良くなりますか? タモギタケも効果があるということにもなりますか?

脳の病気を改善していくには、まず検査を行い、お一人お一人の状況に合わせて不足しているものを補いながら治療し、生活習慣を変えていくことが必要になります。
心豊かな環境になるような遊びはもちろん、親子の関係も重要となります
子供の発達障害の改善は、今回講演をしていただいた白澤先生のお茶の水健康長寿クリニックでも相談にのっています。
タモギタケに含まれるエルゴチオネインは、神経細胞を守り増殖させる働きがあることはわかっています。
効果については個人差があります。
まずは試してみていただくといいでしょう。
お茶の水健康長寿クリニック  https://ohlclinic.jp
(URLをクリックするとリンク先にアクセスできます。)

こんぺいとうさん 60代 女性 保健所訪問支援

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